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国境を越えた温かい食卓


スウェーデン3日目。

感動的な事が多すぎて、何を書いていいかわからないくらい、充実した日々となっております。

今日はまず、牧場に行きました。

牛、豚、鹿、羊の飼育、野生のヘラ鹿の狩猟、と殺、解体、熟成、加工、パッケージ、販売までを一貫して自分達で、しかも、完全オーガニックで行っている、スーパー牧場です。

そこで、僕を一突きで殺せるくらい、巨大で凶暴な角付き牛の脳天を突き、首元を切り裂いて血しぶきが飛ぶ様を、血がかかるくらい目の前で見た後、巨大な内臓と縦半分に割れた牛がつるされた部屋を通り、晩御飯用の肉を買いました。(リアルっす。)

買い物をしていると、牧場の案内をしてくれた、お腹がどで~~んと出た割腹の良いオーナーが来て

「日本で宣伝してくれるなら、これをやるよ!わっはっは!」

とドカッと、ハムの塊をくれました。

そんなワイルドなオーナーと握手を交わした後は、スウェーデンで一番大きな湖に向かいました。

どのくらい大きいかと言うと、ヨハンいわく「世界の全人口が沈んでも、1mくらいしか水位が上がらない程」だそうです。

湖に着いた時、夕方から夜になる一番綺麗な時間帯で、それは、息が詰まる程の美しさでした。

余計な物は一切なく、あるのは、自然だけ。

水辺には、岩と、土と、芝と、凍った水溜り。

寒く澄んだ空気に、吐いた息が白く舞い、どこまでも静かな空間に、砂利を踏む自分の足音だけが、響きます。

見渡す限りの湖の遠方には、向こう岸がポツリポツリと見え、霧が紫のグラデーションを演出し、小さな町は夕日によってオレンジ色に染められています。

まるで伝説のような空気で、そのまま木枠にはめ込めば、美術館にある絵画になるような、美しい景色でした。

感動冷めやらぬ中、、、、、IKEAで間食(笑)

めちゃくちゃまずかったです(笑)

IKEAはやはり日本と同じだったので、わざわざスウェーデンまで来なくても大丈夫!

そのまま隣接する大型スーパーで買い物をして、帰宅。

夜ご飯はワイルドな牧場で購入した、「熟成ヘラ鹿の煮込み」。

肉、玉ネギ、人参、パースニップをバターで炒め、赤ワイン、タイム、ジュニパーベリー、シーズニングを加えて2時間煮込む。
肉が柔らかくなったらブルーチーズ、生クリーム、カシスゼリーを加えてさらに煮込み、味が馴染んだら片栗粉を加えて完成。
付け合せは、茹でジャガイモ。

かなり濃厚で野性的な味わいですが、相当おいしいです!

料理が出来上がったところで、かわいくてナチュラルな北欧食器とカトラリーをセッティングし、柔らかな間接照明を灯しました。

「いつもこんなに素敵なテーブルセッティングなの?」

と奥さんに尋ねると

「お客様が来た時だけよ」

と、笑顔を見せてくれました。

少しテーブルから目を離して戻ってくると、そこには、二つの包みが。

包みにはそれぞれ「yoshiki」「johan」と書いてあり、なんだろうとヨハンを見ると

「奥さんが、ヨシキにプレゼント、だって。僕も、もらっちゃった。笑」

僕がもらえるのはもちろん、そこで、旦那さんにもプレゼントをあげる奥さんの優しさがとっても嬉しくて、涙が出そうになりました。

ヨハンは奥さんにキスをして、僕に向かい合い

「ヨシキがスウェーデンに来てくれて、心から、嬉しい。奥さんも、とても喜んでいるよ、ありがとう。スコール!(乾杯)」

と言い、ワイングラスをかたむけ、素敵なディナーを楽しみました。

あったかいなあ。。。

昼間牧場に行った際、そこで働く人々にとても優しくしてもらい、ヨハンが言った言葉。

「ヨシキ、皆優しかったね。やっぱり、優しい人の所には、優しい人が集まるんだね。」

美しい自然と心の澄んだ人々が寄り添う国、スウェーデン

それは、誰かに作り上げられたものではなく、何も手を加えずに、自然とできたものなのかもしれません。