旅行最後の３日は、ひたすら観光と食器屋巡りと食べ歩きをしました。ストックホルムは市バス、地下鉄、トラムが張り巡らされているので、とても快適に移動が出来ます。

大聖堂、旧市街ガムラスタン、ノーベル博物館、アンティークショップ通り、自然公園スカンセン、港町グスタフスベリ、、、、
…
じっくりとまわってみて、スウェーデンの料理、食器、歴史、街並み、環境意識、等々。

この国が多彩で素晴らしい事が、よくわかりました。

個人的な見解ですが、今、日本に足りないものが溢れているという印象でした。

なぜか。

その全ての答えが、集約されている話があります。

友人ヨハンとの最後の晩餐の後、子育てについて話していました。

「よしき、日本は「子供を叩いてはいけない」って決まり、ある？」

「虐待したら罰せられるけど、法律で明確には決まっていないし、残念ながら、大人が子供に暴力をふるうことはあるよ。。。」

「スウェーデンでは、全ての大人が全ての子供に暴力をふるってはいけない事が法律で決められているんだ。もし海外から来た人でも例外はなくて、暴力をふるってはいけない。」

「素晴らしいね。少数ではあるけれど、日本では、車に赤ちゃんを置いたまま死亡させたり、子供を殺してしまうニュースもあるよ。。」

「信じられない！！スウェーデンは、それが動物だとしても、ニュースになるよ！！」

「うん。。。もちろん、幸せな家庭もたくさんあるけどね！」

「よしき、僕達夫婦がスペインに行った時、子供を殴っている親を見たんだ。国が違うから、言おうか迷って、その時は何も言わなかった。だけど、すごく悲しかったから、あとで奥さんと、あの時どうすれば良かったんだろうって話をしたんだ。それで、次からはこう言うことにした。

「僕達は、スウェーデンから来ました。あなたの国の事はわからないのでやめろとは言えませんが、僕達の国では、子供に絶対暴力をふるいません。そんな考えがあることも、知ってほしい。」

次はそう言おうって、奥さんと決めたんだ。」

その言葉を聞いて、僕は、はっとしました。

自然環境も、福祉も、教育も、デザインも、文化も、全て、誰かが方向性を打ち出したから向上を実現できたのではなく

目の前にいるヨハン達が、自分で考え、的確な答えを導き出し、実現してきたのだと。

そしてそれは、子供を大切に育てるこの国の国民性が、可能にしたのだと。

ヨハン達は、愛娘フレイヤに、全ての愛情を注いでいます。

眼差しは常に暖かく、声を荒立てる事はなく、何を欲しているかを察し、意思を尊重して、夫婦で協力し合い、成長に導いています。

フレイヤは間違いなく、人と地球に愛情を注げる人になるでしょう。

そしてきっと、ヨハンと奥さんも同じように、たくさんの愛情を受けて育ってきたのだと思います。

強く、優しく、賢く、しなやかな人々は、答えを誤りません。

視野を広く持ち、未来を見据え、人生を楽しみ、隣人に愛情を注げます。

そんな人々が集まっているのですから、全ての結果に、納得しました。

近年、日本は多数の大変な問題に直面しています。

多すぎて、大きすぎて、どこから手をつけて良いか、わからないくらい。

専門家でさえわからないので、素人の僕達は、なおさらわかりません。

「何かしたいけど、何をしたら良いかわからない。」

「なんだか悪い気がするものに反対してはいるけど、どうなるかわからない。」

そういう人は多いと思います。

ただ、過去をどれだけ嘆いても、批判しても、ただ待ってみても、何も変わりません。

だから、まず、子供を大切にする事から始めてみてはどうでしょうか。

自然エネルギーに変えたり、仕事を変えたり、おもちゃを買ったり、豪華な食事を食べさせてあげようというわけではありません。

物を大事に長く使ってみたり、休みの日に触れ合う時間を長くしたり、肩車をしてあげたり、一緒に簡単な料理をするだけでも良いと思います。

たまには電気を消して、ろうそくに火を灯して、子供の話を聞いてあげて

お弁当は、お金や出来合いの物を渡すだけではなくて、せめておにぎりをきゅっと握ってあげて

いつの間にか眠ってしまったら、ベッドに運んで毛布をかけてあげて

新しいことが出来るようになったら、一緒に喜んであげる。

もちろん、自分の子供だけではなく、誰の子供でも。

出来ることは、いくらでもあるはずです。

それが、僕が考える、誰でも始められる人と地球の救い方です。

２０年後、その子達はきっと、強く、優しく、賢く、しなやかな大人になり、素晴らしい環境作りをしてくれることでしょう。

僕は、そう信じる事にします。

自然と人間環境を大切にする国、スウェーデン。

来て良かったと心から思える、素晴らしい旅でした。

それではまた、日本で。

Tack sa mycket.
Vi ses!