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スコップ一本の革命


去年の秋から任せていただいたアメリカ大使館内にある大使夫人の畑ですが、先日のインデペンデンスデイに行われたパーティーにて、たくさんの人へお披露目となりました!

数日前からどきどきで、前日見に行った時には「よろしく頼むよ、ありがとうよ」なんて野菜達に願掛けしていたものです。

大使館の畑には
・ソラマメ
・にんにく
・ルバーブ
・カラフル人参
・ハバネロ唐辛子
・ビーツ
・二色いんげん
・チェリートマト
・ズッキーニ
・レタス
・赤オクラ
それにハーブが13種とエディブルフラワーが2種、生息しています。

大使館内の畑スペースは、日当たりが悪く、湿気が多く、土が固い、という、畑をやるには悪条件の場所でした。

畑を始めた当初

『ここで有機栽培は難しい』
『ここは田舎じゃない』
『よくやるね』

などのご意見もいただきました。

毎日見れる人はいない、農具もない。

その頃、農業を始めてまだ半年だった僕がその地で栽培を成功させる事が難しい事は、わかっていました。

それでも僕は、ただやるんじゃなく、有機無農薬でやりたかった。

畑をお願いしてくれた大使婦人に、笑顔で食べてもらいたかった。

薬と化学肥料を使えば、手間はかからない。

だけどそれじゃ、僕がやる意味がない。

ネガティブな考えは右から左へススイと流して、スコップ一本で、一人で、この小さな農園に、革命を起こしてやろうと思いました。

この地で畑を始めて約9ヶ月。

にんにくが!!

ソラマメが!!

ルバーブが!!

去年の秋からゆっくりと成長してきた野菜達と夏野菜の収穫が、無事に行われました。

初めて一緒にソラマメを収穫した時、大使婦人はとても喜んでくださり

『こんなに素敵な農園にしてくれて本当にありがとう!私はハッピーよ!』

とのお言葉をくださいました。

僕は本当に嬉しくて、あやうく泣きそうになりました。

それを飲み込んで。

『僕も、ハッピーです、スージーさん』

そう伝えると、満面でにっこりと、最高の笑顔をくださいました。

あーー、報われた!!

この瞬間の為に頑張る価値、大有り。

そして、その農園の野菜を使い、スージーさんによる一冊のレシピブックが出来上がりました。

料理監修は僕の先生である小枝絵麻さんです。

そのレシピ冊子を、東北への義捐金を寄付してくださった方全員に、お礼としてお渡ししました。

パーティーでも、たくさんの人々が、たくさんの義捐金を寄付してくださいました。

そんな僕は、直接義捐金を送ったわけではありません。

土を耕し、種を蒔き、野菜を育てただけです。

でも結果、誰かの笑顔に、助けになりました。

こんな、援助の方法もある。

そのワンピースになれた事を、嬉しく思います。

おごらず、恥じず、悔いず、ただ自分を見つめ、理解し、それぞれがそれぞれに出来る事を、笑顔でやれば良いのだと思います。

とにもかくにも、ひと段落しました。

それを待っていたかのように、台風が、ゴウゴウときています。

インデペンデンスデイの前でなくて、本当に良かった。

我慢してくれたので、思う存分暴れるが良いよ。

こんな蒸し暑い日は、庭でミントを摘んでモヒートでも作って、昼間から良い気持ちで勉強でもしようと思います♪

Ciao♪