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和食器とのコラボレーション!


2017 3:22

先日の出張料理は、前回ご好評をいただきました「Tea‐activist」千種さつきさん宅での、和食器とのコラボレーション!
和食器を選ぶ際、安土桃山時代の名品や、数百年前に沈んだ船の木を使った物等が続々出て来て、ワクワクが止まりませんでした!笑
今回のゲストは、シャネル株式会社代表取締役のリシャール・コラスご夫妻、NHKクールジャパンのコメンテーターをされている小林康夫さん、世界一の北斎漫画コレクター浦上満さん、遠州流家元の弟様ご夫人の小堀秀子さん、と、上品で素敵すぎる皆様!
世界の美食を食べ歩かれている方達だったので緊張しましたが、出張シェフの2日前に獲れた鹿肉、和食材と日本の野菜を使ったイタリア料理は「初めて食べた!!」と、とても喜んでいただけました♩
僕は、和食材とイタリア料理を融合して新しい料理を作り出したいと思っているわけではありません。
むしろ数年前までは、和食材をイタリア料理に使うのは、イタリアに失礼だと思っていました。
しかし、ある時イタリアのベジタリアン向けのレストランに行った時に、衝撃を受けた事がありました。
そのお店では当たり前のように、昆布、味噌、醤油が使われていました。
豆腐にいたっては、大豆から豆乳を作り、にがりを入れて豆腐を作っていました。
その人達はもちろん、和とイタリアンの融合を試みたわけではありません。
動物性食材を使わずに、旨味とコクを出そうとした結果、たどり着いたのが、日本の食材だったのです。
僕は、目の前に、世界のベジタリアンがうらやむ食材が山のようにあるのに、今までなんてもったいない事をしていたんだと思い、それからはどんどん日本の食材に興味がわき、イタリア料理の手法に取り入れていきました。
それが、今の僕の料理がかたまるきっかけの一つです。
僕にしか作れない料理でなくて、かまいません。
限られた人しか食べられない料理を作りたいとも、思いません。
誰にでも作れて、誰でも食べる事が出来て、世界のどの人とでも
同じ食卓を囲めて、美味しく、健康的に食事を楽しめる。
そんな料理を目指しています。
コースをお楽しみいただいた後、なんと、浦上満さんがご褒美に
「歌麿」の狂歌画本『虫ゑらみ』「みのむし 兜虫」の原本を
見せてくださいました!!
きょ、教科書で見た事あるやつ。。。。
天明8年(1788)の物とは思えない、見事な色彩と状態。
時代を越えて、素晴しいものを見させていただきました。
どれだけ時間が経っても、本当に良いものは、変わらず、人々を魅了する。
そんな仕事がしたいと僕も思いました。
ありがとうございました!